映画「ゴールデン・リバー」〜極上の西部劇

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    思いもよらない展開と人間彫琢の深さにおいて極上の西部劇である。
    黄金を見分ける化学式を見つけた化学者、一帯を支配する権力者の依頼で、それを奪おうとする殺し屋兄弟と連絡係の4人が中心人物。特にシスターズ・ブラザーズという殺し屋兄弟を軸に予測不能の物語が展開する。
    黄金に魅せられた4人は立場を超えて手を結ぶあたりから、人間ドラマとしての色彩を増し、人間の業や家族・兄弟とはという本質的な命題を問いかける重層的なドラマ展開になる。それでいながら、テンポ感は軽妙で、シニカルな味も忘れない。
    圧倒的なのは兄弟の兄役のジョン・C・ライリーの存在感溢れる快演だ。無敵の強さを誇るが、見た目に反してロマンチスト、西部男の体臭を撒き散らしながら、歯磨きにこだわり、並外れた女性崇拝者などの多面的な人物像を立ち上げた。
     監督は、原作に惚れ込んだライリー自らが映画化権を獲得し、依頼したジャック・オーディアール。フランスを代表する名匠だが、初めてハリウッド俳優を指揮し、ウェスタンという新分野においても無限の才能を示した。
    原作はパトリック・デウィットの「シスターズ・ブラザーズ」。ヴェネチア映画祭を始め数々の映画祭で受賞を重ね、世界各国のメディアから全く新しい傑作との呼び声が高い。
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    このページは、gypsy-trailsが2019年7月22日 17:25に書いたブログ記事です。

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