■ギャラリー(中国・チベット篇):四川大地震の震源地、ブン川県の村、龍渓郷、1996年当時の取材記録から

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四川省アバ・チベット族チャン族自治州ブン川県龍渓(ロンシー)郷巴奪際寨(ピヤト)村。

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チャン族は人口約20万人、四川省の北から南に流れ、長江に注ぐ岷江(ミンジャン)の上・中流域を中心に暮らすチベット系の民族である。漢族と混住するうちにその影響も受けている。当時、ブン川県に通じる道路はこのような状態だった。現在でも周囲の迫り来る山々は変わらない。

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チャン族の村で最初に訪ねたのは?川県の北、1996年7月チベットの取材を終えた我々は最後の訪問地としてチャン族の村、龍渓(ロンシー)郷巴奪際寨(ピヤト)村。にはいることができた。ここにテントを張り、数日間を過ごした。

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60キロにある茂県のインチュエフ村である。10メートルほどの高さの石楼がいくつも立っている。上にはのぞき窓がついていて、かつて外敵の監視のために建てられたというが、当時は倉庫として使われていた。

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そばの花が咲いている。傍らで刺繍などをしているチャン族の女性。桃源郷としかいいようがない。ここはどうなったか?悪い想像しか起きない。

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斜面にへばりつくようにたつ泥レンガつくりの家。地震がくれば崩れる。

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チャン族の年中行事のなかで演奏される音楽。村で一番高いところにある「山王廟」へお参りし、神の加護と恩寵に感謝する。大小さまざまなドラ系の金属楽器と太鼓で奏され、平安と豊作を祈る。チベット音楽の影響もみられる。

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情歌対唱、ラジララ。歌の内容は男:「おねえさんよ。あなたは聡明で家事もできる。絵も描けるし刺繍もできる。あなたと友達になりたいけど、なかなか自信がなくて口に出せない。」女:「おにいさんよ。あなたはハンサムで洒落ていて、まっすぐな木のようで、木の上には羊角花がひとつ咲いている。あなたと私はこんなに気があった。早く親戚と友達を呼んで婚約の宴席をあげましょう。」

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この村にもシャーマンがいる。ピといいチャン族の創世神話、人類誕生物語「ムジェ」を語る。ムジェ(チャン語で天女の意味)の物語は地上に降りた天女が猿と出会い、様々な困難にあうが、それらを乗り越え、結婚して人類が繁栄するという内容である。

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この村は45戸250人の100%チャン族の村。多くの村人が踊りにやってきた。どの顔も明るい。

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シプチェの踊り。結婚式、葬式、祭祀、宴席などの後に行われる集団舞踊。結婚式、葬式、雨乞いなど目的によって踊り方が変化するが、いずれの踊りにも独特の足運びがある。シプチェのことを席歩蹴というのもうなずける。村人の楽しげな表情が忘れられない。

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四川料理に欠かせない「花椒(ホワジアオ)」という香辛料の赤い実が美しかった。とにかく村人たちが1人でも多く生きていることを祈る。

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