スペイン映画「BIUTIFULL」~黒澤からの投影

現代スペイン社会の実相を、広い視座で浮かび上がらせた秀作だ。主人公ウスバルは末期の前立腺がんで余命2ヶ月の中年男。精神のバランスを失った妻とは別居中であり、2人の子供もある。不法滞在のアフリカ人や中国人労働者の手配師をや … “スペイン映画「BIUTIFULL」~黒澤からの投影”の続きを読む

《ジェレム・ジェレム便り22》~ アメリカに住むロマたちの今(2)

 六つのロマの部族がダラスに集まっておこなわれた祭礼時の騒動の様子が、1951年にすでにダラス・モーニング・ニュース紙に報じられている。グリーン一族に属する15歳の少年がエバンス一族のメンバーによって銃撃されたとする事件 … “《ジェレム・ジェレム便り22》~ アメリカに住むロマたちの今(2)”の続きを読む

革命と神話的余韻:エチオピア映画『テザ 慟哭の大地』

アフリカ最古の独立国であり、1974年の王政廃止クーデター後、社会主義エチオピアを目指しながらも、軍人政治による恐怖政治、粛正の嵐を体験したエチオピアの知識人の視点から近現代史を捉えたエチオピア映画である。が、この映画に … “革命と神話的余韻:エチオピア映画『テザ 慟哭の大地』”の続きを読む