名も無き旅人を人々の胸に刻んだ沢木耕太郎の新作「天路の旅人」

戦前、アジア諸民族の政治的独立と文化復興による大東亜秩序建設を国策とする日本は満州国内の内蒙古に興亜義塾という名の学校を設立し、大陸方面の国策遂行を担う人材の養成に乗り出した。そこで学んだ若者の中に、ラマ教(チベット仏教 … “名も無き旅人を人々の胸に刻んだ沢木耕太郎の新作「天路の旅人」”の続きを読む

映画化が待ち望まれる芸人の原点〈浅草オペラ〉〜『浅草ルンタッタ』(劇団ひとり著)を読んで

お笑い芸人のかたわら作家や映画監督としてもその才能を発揮する劇団ひとりの4作目となる小説である。大正時代に浅草六区で花開いた和洋折衷の大衆芸能〈浅草オペラ〉を題材に当地で時代を生き抜く人々の人間模様が描かれる。〈浅草オペ … “映画化が待ち望まれる芸人の原点〈浅草オペラ〉〜『浅草ルンタッタ』(劇団ひとり著)を読んで”の続きを読む

「三線職人 銘苅晴政そして大工哲弘」

最近のTV番組「情熱大陸 三線職人/銘苅(めかる)春政 沖縄の伝統を未来に。88歳の技と生き様に触れる」を見て、様々な雑感に捉われた。 三線の芸術的価値はその棹の美しさで決まるということを固い信念とする銘苅春政は、南城市 … “「三線職人 銘苅晴政そして大工哲弘」”の続きを読む

《ジェレム・ジェレム便りNo.67》ポーランド・ロマ 祖母と孫の対話「今まで誰も聞かなかった」(下)シモン・グオヴァツキー

「うちは大きな家族だった。兄弟、いとこがたくさんいてね。野営地には50を超える幌馬車が停まっていたよ。春から秋にかけてはポーランドじゅうを転々として、冬場はポーランド人から家を借りるのさ。暖かくなりはじめるとすぐにまた移 … “《ジェレム・ジェレム便りNo.67》ポーランド・ロマ 祖母と孫の対話「今まで誰も聞かなかった」(下)シモン・グオヴァツキー”の続きを読む

《ジェレム・ジェレム便りNo.66》ポーランド・ロマ 祖母と孫の対話「今まで誰も聞かなかった」(上)シモン・グオヴァツキー

インターネットの時代になりヨーロッパから発信されるロマに関するニュースに接することは容易になったが、そのテーマは差別や貧困、そしてそれらによって引き起こされる人権問題に関するものがほとんどで、彼らの生活の実態や市民感情に … “《ジェレム・ジェレム便りNo.66》ポーランド・ロマ 祖母と孫の対話「今まで誰も聞かなかった」(上)シモン・グオヴァツキー”の続きを読む