「彼岸花が咲く島」 李 琴峰 著   ノロに憧れる少女

彼岸花の咲き乱れる砂浜に流れ着いた少女は記憶を失っていた。海の向こうから流れ着いたので、宇美(うみ)と名付けられた。 その島では<ニホン語>と<女語>が話されていた。 宇美が流れ着いた島は亜熱帯の孤島でノロが統治する島で … “「彼岸花が咲く島」 李 琴峰 著   ノロに憧れる少女”の続きを読む

時空を超えた鎮魂   「貝に続く場所にて」〜石沢麻依 著

人間にとっての記憶・思い出・回想とは何なのかという疑問・戸惑いなどを突き詰めて考えさせる力を持った作品だろう。コロナ禍が世界を覆う現在に、2011・3・11の震災を体験した著者が失った友人・野宮や現在の居住地ドイツ、ゲッ … “時空を超えた鎮魂   「貝に続く場所にて」〜石沢麻依 著”の続きを読む

「土偶を読む」竹倉史人著〜 縄文文化の奥深さを知る 

「130年間解かれなかった縄文神話の謎」という副タイトルから、あの不可思議で神秘的で、超時代的なフォルムが何を意味するのかという定説が長年確立していなかったことを知った。縄文時代の奥深さについては、考古学などの様々な研究 … “「土偶を読む」竹倉史人著〜 縄文文化の奥深さを知る ”の続きを読む

「王の没落」〜イェンセン著 16世紀デンマークの歴史小説

北欧神話というと必ず思い起こす映画がある。イングマル・ベルイマン監督の「処女の泉」(1961年日本公開)である。当時、黒澤明と並び称された巨匠であり、この映画が日本人に与えた影響は大きく、私の北欧のイメージ形成に多大な影 … “「王の没落」〜イェンセン著 16世紀デンマークの歴史小説”の続きを読む

「イエスという男」〜 田川建三著 その生と死

何というタイトルだろう。何か挑戦的で、決然とした雰囲気が感じ取れるタイトルだ。普通の宗教書ではなく、生身のイエスについて何かを示してくれるものなのか。キリスト教にはそれほど関心を抱けない者にも、イエスという存在には実在論 … “「イエスという男」〜 田川建三著 その生と死”の続きを読む