《ジェレム・ジェレム便り57》もう一つのワールドカップ大会〜知られざるスリングショット競技の世界

 このたびのラグビーワールドカップ日本大会で日本代表チームは本当に強かった。まさかと思われたアイルランド戦での勝利に「もう奇跡とは言わせない」との名実況が飛び出し、日本中を熱狂させた。ラグビー界が長年にわたってルールの改良に取り組んでいることが奏功し、安心して観戦できるフェアなスポーツになったことを印象づける大会でも……続きを読む

アメリカ人日本文学研究者の価値ある試み〜「井上陽水英訳詞集」(ロバート・キャンベル)

本書には題名の通り井上陽水の歌詞50編の英語対訳が収められている。アメリカ出身の筆者はハーバード大学大学院で日本文学を研究したあと1985年に来日し、30年以上日本の大学で教鞭をとった。近年はテレビやラジオでも活躍していて、その親しみやすく優しい語り口から好感を持つ人も多いことだろう。本書は英訳そのものの味わいもさるこ……続きを読む

自由を求めて作られたソビエト時代の「手焼き」のレコード

 デジタルの時代になって使われなくなったが、かつて写真をプリントすることを「焼く」と言った。そのアナロジーからか今日でも音楽や画像ファイルをメディアにコピーする際に、たとえば「ROMに焼く」などと言ったりする。そして、身近な機器を使った少量複製のことを「手焼き」という。先日、「BONE MUSIC展」なる展覧会で、ま……続きを読む

インド発の極上のエンタテインメント映画「パッドマン」

 「現代のインドで"生理用品"の普及に人生を捧げた男の感動の実話」とうたった惹句を見たときは、もしや単に奇をてらった映画なのでは、と半信半疑になったが、それはまったくの杞憂だった。それどころか、極上のエンタテインメント映画と言っていい作品だった。そこには"ボリウッド"映画などと揶揄されてエキゾチックでカラフルな歌と踊……続きを読む

映画「ガンジスに還る」の向こうに見るバナーラスの今

 ある日、不思議な夢を見て自らの死期を悟った父親が、聖地バナーラス(バラナシ)に行って死んで解脱をしたいと言い出したことから、その旅路に同伴することになった50がらみの息子ラジーブ。職場では営業ノルマに追われ、家庭では年頃の一人娘の結婚話が進んでいて、それどころではないのだが、とにかく年老いた親を一人で行かせるわけに……続きを読む