歌手、山崎ハコのこと

■2008.3.14  歌手、山崎ハコのこと
○何となく気になる存在の歌手に山崎ハコがいる。特に彼女の歌を集中的に聞いたことはなかったが、1970年代の半ばにデビューしたころには、はかなげで、弱弱しい風情と情感あふれる声質が印象的な歌手だった。中島みゆきなどがメジャーになっていく時代にひっそりと歌をうたう彼女のような存在も貴重だと思っていた。その後も五木寛之のラジオ番組などに出演してるのを偶然聞いたりして、ああ、それなりにやっているんだなと思っていた。よく言われるように暗い唄うたいの代表みたいにいわれたようだが、それはそれで個性だからいいのではないかと彼女を支持したい気持ちもどこかにあった。
今年の2月に「大竹まことのゴールデンラジオ」(文化放送)を聞いていたら、山崎ハコがゲスト出演していた。大竹との対談もなかなか良かったが、そこで流れた新作シングル「BEETLE」はおっと思わせるものだった。彼女をまとめて聞いてみたくなり、3枚ほどベストものを取り寄せ、このところ聞いている。「望郷」「白い花」などハコ節とでもいうべき数々のうたから1970年代以降の日本の姿が浮かんでくる。それは晴れがましい世界ではなく、ごく狭い、些細な日常における人間の感情の表出だ。なによりも歌わずにはいられないという切迫感が鮮明だ。過剰な装飾もなく、派手な演出もない。見方によれば、不細工、不器用なほど生硬でいて、どこか清浄なものが聞こえてくる独自な世界をもっている。こうした一貫した姿勢で30年歌ってきた山崎ハコがとても貴重な存在に思えてきた。そういえば、浅川マキはどうしているだろう。気になってきた。

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