「王の没落」〜イェンセン著 16世紀デンマークの歴史小説

北欧神話というと必ず思い起こす映画がある。イングマル・ベルイマン監督の「処女の泉」(1961年日本公開)である。当時、黒澤明と並び称された巨匠であり、この映画が日本人に与えた影響は大きく、私の北欧のイメージ形成に多大な影 … “「王の没落」〜イェンセン著 16世紀デンマークの歴史小説”の続きを読む

《ジェレム・ジェレム便りNo.64》世界の喜劇王チャーリー・チャップリンのロマ・ルーツをたどるドキュメンタリー映画、スペインでプレミア上映

ピレネー山脈の麓、地中海に面し独自の文化伝統を誇るカタルーニャ地方では毎年4月23日をキリスト教の聖人サン・ジョルディの日として祝う。恋人や親しい人がバラの花と本を贈り合う習慣から「本の日」としても知られる。この時期に合 … “《ジェレム・ジェレム便りNo.64》世界の喜劇王チャーリー・チャップリンのロマ・ルーツをたどるドキュメンタリー映画、スペインでプレミア上映”の続きを読む

映画「ノマドランド」〜漂泊する車上生活者

撮影と音楽が秀逸で、極上の美術作品を見ているようだ。全編に抒情が漂い、深い余韻が残る。主演のフランシス・マクドーマンドのただならぬ実在感を伴った演技とともに、クロエ・ジャオ監督の演出が鮮やかな切れ味で、彼女の存在を世界に … “映画「ノマドランド」〜漂泊する車上生活者”の続きを読む

「イエスという男」〜 田川建三著 その生と死

何というタイトルだろう。何か挑戦的で、決然とした雰囲気が感じ取れるタイトルだ。普通の宗教書ではなく、生身のイエスについて何かを示してくれるものなのか。キリスト教にはそれほど関心を抱けない者にも、イエスという存在には実在論 … “「イエスという男」〜 田川建三著 その生と死”の続きを読む

「郷土中国」〜費孝通(フェイ・シャオトン) / 西澤治彦訳

費孝通(フェイ・シャオトン)(1910-2005)は中国の代表的な社会学者であり、人類学者である。その多くの研究業績は中国社会科学の貴重な学術的財産である。家族・男女・血縁・地縁への分析から国家・社会の本質を考察し、中国 … “「郷土中国」〜費孝通(フェイ・シャオトン) / 西澤治彦訳”の続きを読む