《ジェレム・ジェレム便り⑫》~カナダ紙のガトリフ監督新作批評

 カナダ、モントリオールの英字紙<ガゼット>2010年5月7日付け。 トニー・ガトリフ監督の最新作「自由(原題:Korkoro/仏語題:Liberte)」は野心作である。アルジェリア出身でフランスを拠点に活動するガトリフ … “《ジェレム・ジェレム便り⑫》~カナダ紙のガトリフ監督新作批評”の続きを読む

血も涙もある市井の人の真実~映画「春との旅」

日本列島に日々繰り返されている重く逃れられない現実に思いをめぐらさざるを得ない映画であり、小林政広監督の熟した人間観察眼が際立つ傑作である。 かつてニシン漁でわいた北海道の増毛もいまやその面影もない。老漁師,忠男(仲代達 … “血も涙もある市井の人の真実~映画「春との旅」”の続きを読む

韓国映画「息もできない」:ヴァイオレンスから魂の浄化へ

韓国からまた素晴らしい才能が噴出した。エリートコース出身の映画青年では表現できない八方破れのエネルギーに満ちた映画作家、ヤン・イクチュンの鮮烈な出現である。 『息もできない』の主人公サンフン(ヤン・イクチュン)は借金の取 … “韓国映画「息もできない」:ヴァイオレンスから魂の浄化へ”の続きを読む

「七人の侍」~映像ダイナミズムの極致

黒沢明の生誕100周年記念と銘打ち、3月末から3週間にわたり、30作品が日比谷シャンテで上映された。黒澤作品のほとんどは、数回以上見ているが、「七人の侍」は中でも突出した回数で、学生時代以降、今日に至るまで、節目節目でそ … “「七人の侍」~映像ダイナミズムの極致”の続きを読む

「カチンの森」からのメッセージ~ポーランド大統領機墜落

ポーランドの映画監督の巨匠アンジェイ・ワイダの「カチンの森」を見たのは昨年秋ころの試写だった。ワイダの「灰とダイヤモンド」(1958)に衝撃を受けた世代として、ワイダを黒澤明、ベルイマン、フェリーニらと並ぶ巨人として評価 … “「カチンの森」からのメッセージ~ポーランド大統領機墜落”の続きを読む